些細な出来事がきっかけで思いもよらぬ衝動を呼び覚ますことがある。身体の中を何かが駆け巡り、内と外をも一瞬で包み込む感覚。それは、事物を両極から辿っていく時にも起こる個人的で立体的な知覚だ。

この感覚を表出できないかと量塊性のある制作から空間を駆使した表現に変容してきている。量塊を意識した制作から真逆のようにみえるこの試みは覚束ない仕事のはじまりでもあるが、探求におけるパラドックスのような微かにみえる輪郭を抉り出す仕事ともいえる。
あるいは世界の一部として、一つの現実としての行為である。